全国大会2006年03月09日 02時11分18秒

今日は情報処理学会全国大会に参加.

といっても,仕事は学生セッションの座長.他大学の研究に対するアプローチがわかってなかなか面白い点と,やっぱり学生の研究だからか,詰めの甘さ(場合によっては大甘)が見受けられる点がある.ウチの学生の発表もよそから見たらそう見えるのだろうか?というのが結構気になる点である.

座長である以上,参加者から質問が出てこなければ,自ら質問するか,次の講演に切り替えるか,という仕切りをしなければならない.これが結構しんどい.学生セッションの参加者のほとんどは発表者だったりするので,参加者からの質問がほとんど期待できないのである.ということで9割くらいの質問時間を私が使ってしまった.なるべく研究を根本から否定する(あるいはそう取れる)ような発言はしないように気をつけつつ,今後の研究の方向性に関するサジェスチョンになるように質問したつもりである.どういう風にとられたか,それが今後に影響を与えるのかはよくわからんが.

そしてなにより辛いのが,座長が最後に決めなければならない優秀講演賞(名前が違ったような気がする).座長の専権で決めてよい,ということになっているのだが,なかなか優劣がつけがたい.そもそも何を評価したらよいのかが良く分からないのである.研究内容か,発表の仕方か,予稿集の出来か,総合評価なのか…,ということで,かなり悩みつつ表彰者を選定した.結局,私としてはかなり妥当な選択をしたのだと思うのだが,選ばれなかった人には不満が残るのかもしれない.

まぁこれで,全国大会の私の仕事は終了なのだが,明日は学生の発表.またまた緊張する時間を迎えることになる.

全国大会その22006年03月10日 02時16分16秒

本日も全国大会へ.今日はウチの学生の発表の聴講が主な目的である.が,行く前に職場近くで食事を取っているときに,トラブルが発生した.かばんの中からある書類を取り出そうとしていたところ,別のとある書類が出てきたのである.その書類は,座長が表彰者の名前を記入するもので,ステープラで綴じられている.会場においてこなければならない書類である.昨日,座長をした際に,そのセッションの表彰者を記入し,後片付けをしている際に,かばんに入れてしまったらしい.

昨日は最後のセッションだった.今日の朝イチのセッションにはもう間に合わない.しかし,二番目のセッションはちょうどウチの学生が発表するセッションであり,参加する予定であった.このときに返却しなければまずい,と思いつつ会場に向かう.

ということで,昨日と同じルートを通り工学院へ.途中で快速に乗り換えたりして,なるべく早くつくように努力.なにせセッション開始前にきちんとつかなければならないのである.

駅からやや急いで歩いたこともあり,セッション開始10分前頃には会場に到着.ふぅ.ということで,無事書類を返すことができた.

あとは他大学の学生の発表に質問したり,ウチの学生の発表を記録したり.たまたまなのか,参加した二つのセッションは質疑が比較的活発だった.これは良いことだと思う.昨日の私のセッションは質疑がほとんどなかったといってよいほど少なかったのに….

明日からイタリー2006年03月11日 03時06分26秒

明日から出張.準備もしていないのに,帰宅したのが午前1時過ぎ….なので,当然,寝る時間はこんな時間(現在3時07分).

明日は…6時おきかな.ということで,おやすみなさい.

向こうから更新できたら更新しますが,あまり期待しないでください.

イタリア初日2006年03月12日 06時25分00秒

成田からパリ行きの機体
成田からParis経由でPisaへ.予約はエールフランスで取ったのだが,コードシェアのためJALの機体でのフライトとなった.JALの国際線に乗ったのは,実に約30年ぶりかも.いろいろと細かいところまで工夫されていて,がんばっているなぁという印象.

ParisからPisaはエールフランスの機体.機体の上側に翼がついているタイプのジェット機で,乗り心地は思ったほど悪くないのだが,翼の下の席だと,景色は見えないし,荷物の収納部分は小さい(上を翼の骨組みが通っているため?)しで,イマイチ.

フランスからイタリアへの飛行なので,キャビンアテンダントもフランス語・英語・イタリア語なのであるが,ドリンクサービスの時に,日本語で「何にいたしますか?」と聞かれてびっくり.それだけ日本人の観光客が多くなっている証拠なのであろう.

Pisaについたのはもう夜になったころ.タクシーでホテルに直行し,チェックイン.ホテルはバスタブがない(シャワーのみ)であること以外はまぁ大した問題はなし.夜なのだが,とりあえず駅まで行ってすこしブラブラして戻る.駅は非常に近い.お店が少ない,人通りも少ないという感じであるが,それほど治安が悪い感じでもない.

イタリア二日目2006年03月13日 06時33分01秒

ピサの斜塔
今日は一日,フリーなので,Pisaの斜塔の見学.某ガイドブックなどだと徒歩一時間とあるので,歩いて行って見ることにした.実際にかかった時間は約30分.それほど遠くはない.斜塔は思ったよりは傾いているというか,イメージ的には今にも倒れそうである.ある意味,いまだにきちんと立っているのが不思議な建物である.まだ朝早かったので,予約して登頂.階段はたぶん普通の螺旋階段なのであるが,なにせ建物が傾いているので上りにくい.まるで酔っ払いになったような気分である.それでもなんとか上ると,町並みから遠くの山まで見渡せて結構な景色.ただし足は棒のようになった.

そのあと,隣の大聖堂などをゆるゆると見学し,駅の近くまで戻って昼食.ピザ,スパゲッティなどを食べ,さらに隣の店でジェラートを.しまった.イタリアで食べたいものはだいたい食べてしまった.

その後,再度市内をぐるっと散策.終わってみれば市内を二周した勘定になる.斜塔を上った時点で棒になっていた足はもうあちこち痛むような状態になってしまった.

夕食はホテルの近所の中華料理で済ます.軽く,のつもりがそうはならず.今日は運動量もすごいのだがおつりが来るぐらい食べてしまったかも.

さて,日本では明日(もう今日)は院の入試である.よい結果が出ることを祈っている.

イタリア三日目2006年03月14日 07時07分47秒

学会会場の警備室
今日からPerComのWorkshopが開始.とりあえず学会が用意したシャトルバスにて会場へ向かう.昨日,歩いてきた場所なのだが,非常に遠かったものがバスだと結構遠回りしてもやはり圧倒的に早い.

到着してレジストレーションし,ちょっと隣の部屋を覗くと,元N社のY氏を発見.ものすごく久しぶりである.ついでWorkshop会場でK社のN氏がいた.これ以外に何人もの日本の方々と会う.意外に日本人が多い感じである.

午後までWorkshopに参加したり,インターネットに接続(これが調子が悪い)して日本のメールを読んだり.15時過ぎにWorkshopが実質終了.

その後,歩いてCoopに行き,若干の買い物.ここは昨日通ったルートである.で,バス停を探すとCoopのすぐ向かいにあるのを発見.チケットを購入しなければならないのだが,これはいろいろ聞いたところ,Coopの隣のBarで売っているとのこと.Barで売っているというのも変な話であるが,Barに入って聞いたところ,確かにここで売っているらしい.とりあえずこのチケットがないとバスに乗れないので,ここで購入してバスに乗りこむ.朝は学会がチャーターしたバスだったので,一般のバスに乗ったのはこれが初めて.とにかく揺れる,というのがその印象.バーにつかまっていないととてもではないが立っていられない.

このバスで無事,駅まで戻り,いったんホテルへ.その後,再びジェラートを食べ,夜のピサの斜塔を見に行き,ホテル近くに戻ってイタリア料理のレストランでパスタや肉,ワインを堪能.もうお腹がいっぱいである.帰って体重計にのるのが怖い.

なお,あまり書いていないが,メインはあくまで仕事である.

イタリア四日目2006年03月15日 07時45分33秒

子牛のカツレツ ミラノ風
PerComとしては初日.今日はちゃんと最初から参加.オープニング,キーノートスピーチと聞く.キーノートはMITの人で非常にITSっぽいというか,プローブカーとかインターナビなどと同様のシステムに関するプレゼンテーション.私にとってはあまり新規性はない発表だったが,他の方々に聞いたところ,その方々にとってもそうだったらしい.

その後の発表は,面白いものもあればつまらないものも.ただしつまらないというのは私の専門と違うということが原因かも.ただ,12倍という倍率を潜り抜けた発表にしては,という気がするものもあるのは事実.まぁそれがPerComのいいところなのかもしれない.

ところで,さすがにPerComで,セッション中に会場でも自由に無線LANが使えるのだが,どうにも調子が悪い.ときどき接続が切れてしまうし,切れてしまうと当分つながらなかったりする.どうもDHCPのキャパシティをオーバーするほど多くの人が使っているのが原因のようである.まぁ会場にいる人の1/3くらいが発表中もPCをいじっているという状況も,最近は珍しくないような気もするが,よく考えると異常である.

通常セッション終了後,ウェルカムレセプションでシャンパンを飲みながらデモセッションを見学.いくつか面白いデモがあったものの,こちらも興味の度合いはイマイチ.一番面白いと思ったものが日本人のデモだったし.

その後,一旦ホテルに戻ってからディナーへ.またまたイタリア料理の店へ.10.99ユーロのコース料理(子牛のカツレツのコース)を食べたのだが,やっぱりお腹がいっぱいになってしまった.うーむ.

イタリア五日目2006年03月16日 08時18分57秒

バンケットのワイン
午前中にベストペーパー候補の講演があった.さすがにベストペーパー候補というだけのことはあって,それなりに興味深い内容.3件目はタネンバウム教授のところのRFIDタグがウィルスに感染するという発表.タイトル(猫はコンピュータウィルスに感染するか?)が目を引く.発表も引き付けるものがあったが,内容は…着眼点は確かに新しいのだが,発表している内容は当たり前といえば当たり前か.ただ,これをプレスリリースしたりして,大々的に宣伝しているあたりは流石.

午後は二つ目のキーノートスピーチに続いて,ポスターを使ったセッションとセンサネットワークのセッション.最後の講演はペンステートの学生の発表であったが,あんまりしっくり来るものではなかった.

その後,いったんホテルに戻ってから,PerComのバンケットへ.なんでも昔の駅だったところらしく,確かに縦に長い場所である.そこに円卓をたくさん並べてバンケットを開催するらしい.ウェルカムドリンクのあと,特に挨拶などもなく料理が運ばれてきてバンケット開始.途中で場所の紹介とか偉い方のお話とか,なんらかのセレモニーが入るのかと思っていたのだが,キーノートの講演者への表彰以外は特になにもない,というあまり類を見ない形のバンケットであった.メイン料理も豚肉のようなものなのだが,なんだかよくわからない料理だった.

終わりも特に何もなく,各テーブルで雑談が続くような状態.なので料理が終わりだと思われたところで退出してホテルに戻ったが,それでも11時過ぎになってしまった.楽しかったような疲れたような状態.

やばい,もう五日もいるのに,持ってきた仕事は何一つ片付いていない.

イタリア六日目2006年03月17日 07時09分59秒

テイスティングしたワイン.独特の味だった.
朝イチでセキュリティのセッション.基本的には興味の対象外である.その後はパネルディスカッション.ディスカッションに到達するまでが長くて….というかあんまりディスカッションする気ないのでは?という感じ.パネラー同士のディスカッションはあまりなく,フロアの人の質問にパネラが答えるだけという感じ.あまり面白くはない.

読めないほど字が小さいスライドを多用している人がいる.パネラでこうだというのはちょっと意外.デジカメでとってそれを拡大すればかろうじて読めるという感じ.

続いてShort Paperのパラレルセッション.意外に興味深い発表があったりしたが、発表スタイルに疑問のあるものもあり.

昼食後,アーキテクチャ&プラットフォームのセッション.だんだん参加者が増えてきたためか,無線LANがつながりにくくなってきた.結局,最初から最後まで,無線LANが安定して使えることがなかったのが結構不満.

最後は自己組織化ネットワークのセッション.

最後から二番目に指向性アンテナを使った発表があった.面白いかも,と少しだけ期待して聞いたのだが,内容はTDMAと指向性アンテナを組み合わせて効率的な通信(ルーティング)を行おうという提案.文字が小さくてとても見えないので詳細がイマイチよくわからんし,あまり新しい提案とも思えない.何より,ありえないくらい小さな文字のスライドで発表するのはいったいどういう考えなのだろうか(考えていないような気がするが).お陰で目がものすごく疲れる.

最後の発表はわれわれの研究と発想が非常に似ている.あまり大したことのない研究かもしれないと思っていたのだが,少なくとも参考にはなる.ただ,質問がなかったので,トレンドから外れた(あるいは外れつつある)研究なのかもしれない(というかたぶんそうなのだろう).

全セッション終了後,ベストペーパー賞の発表.本来一件のはずが,二件が選ばれるという事態になったらしい.タネンバウムの論文が外界に与えたインパクトが大きいという理由で苦肉の策,という気がしないでもない.非常に政治的かもしれない.マークワイザー賞(本来のベストペーパー賞)とハイインパクト賞(タネンバウムの論文)ということになったらしい.

その後はワイン・テイスティングというクロージングセレモニー.5種類のワインが振舞われた.それなりに味に違いがあるものが選ばれており,私でも楽しめた.ただ,結構たっぷり注がれてしまうので,全種類味わうころにはすっかり酔っ払い状態.

ほろ酔い気分で帰ろうとしたら,学会のバスはないらしい.仕方なく,最寄のバス停まで歩き,チケットを自動販売機で買おうとしているところにバスが到着.バスの運転手がチケットを売ってくれるようだったので,あわてて乗り込んで車内でチケットを購入.事前に購入すると0.85ユーロなのだが,車内で買うと1.5ユーロらしい.ちょっと面白いシステムである.

夕食は駅前のホテルのレストランで.結局ここでもまたワインを飲んでしまう.なんだか飲んだり食べたり,はすごく充実している感じ.毎日飲んでいる….いや,仕事も充実していますが.

イタリア七日目2006年03月18日 07時36分59秒

フィレンツェのDuomo.左の赤い塔の先端まで登った.
PerCom併設のワークショップが開催されている日であるが,諸事情により今日は電車でフィレンツェへ.混んでいるという話を聞いていたので,最初にUffizi美術館へ.ここには中世の宗教画が沢山ある.のは良いのであるが…本当に混んでいる.入場券を買うために長蛇の列.仕方がないので並んだのだが,その列の進まないこと進まないこと.このままでは,これで日が暮れてしまうのではないかと思ったほどである.が,待つこと1時間半ほどでなんとかチケットを購入.そこから入場まではまた列.ただしこちらは10分程度か.事前にインターネットなどで申し込んでおくことの重要性を切実に感じた.ただし,そういう計画的な行動は苦手なので致し方ないのであるが.

二時間ほど,さまざまな宗教画を観察し,近くのオープンカフェのようなレストランでピザを食してからDuomoへ.大聖堂を見学し,そこを登ることにした.入り口では463段の階段とあったのだが,数えながら必死で登ったところによると457段.うーむ.まぁそれはよいとして,市街が一望できて,思ったよりもよい景色であった.ピサに比べて町が大きいので,遠くまで屋根が並んだ風景となる.

その後,ちょっと遠いのだが眺めがよいということで,ミケランジェロ広場へ.かなり歩くことになってしまったのだが,眺めはなかなかすばらしい.また,城壁やら要塞が見えて,昔の姿が想像させられる場所であった.ただし,このあたりですでに足は笑いだしていた.こんなに歩くのが苦手なのも問題かも.

そこからまた市内へ戻って,ミケランジェロのダビデ像を見るためにアカデミア美術館へ.非常に目立たない入り口から入ってすぐにダビデ像がある.というか他にはあまりないと言った方がよいかも.ここのダビデ像は,あちこちにある模造品とやはり何か違って,独特の雰囲気が醸し出されている.見る価値は十分にあると感じた.

その後,フィレンツェ市内で食事をし,9時ころの列車でピサに戻る.たった七日間なのに,ピサに「戻ってきた」と感じるのがなにか不思議.単に滞在しているホテルがあるだけなのに.

さて,いよいよイタリアも明日限り.正直,あまり帰りたくはないのだが,そうもいかないし….