YSR blog

仕事から車で帰る途中，ある交差点で信号待ちをしていた．深夜なので，交差する道路を通る車もほとんどいない．無駄な赤信号だなぁ，という気持ちをぼんやり抱きながらも青になるのを待つ．すると突然視界の右側から車が現れた．どうやら後ろから来た車が，右折レーンを通って前に出てきたようである．その車はそのまま，赤信号の交差点に突入し，横から車が来ないことを確認すると，信号無視をしてそのまままっすぐ走り去っていった．

たまにこういう車を見かける．危ないなぁ，とかふざけるなぁ，とかつかまれぇ，とかまぁそういう感情が混ざった状態でその車が視界から消えていくのを見ていると，そこでようやく信号が青になった．

で，走りながら思う．今の信号無視はなにがいけないのだろう？もちろん，法規に違反している．でも，それで危険かというと，実際のところほとんど危険性はないという気がする．なにせ交差する道路の交通量はかなり少ないのである．

他にどのような理由があるかを考えると意外に難しい．公平性とかマナーとか，こじつければ出来ないこともないような気がするが，それで納得はできないように思う．

そして，ここに道路交通の問題があるような気がしてきた．すなわち，法規でしてよいこと，いけないことが規定されているのだが，感覚的にしてよいと思われること，してはいけないと思われることとの間のギャップが大きいのである．先ほどの例で言えば，本来この交差点は夜間のみ黄色とか赤の点滅する信号でもよいのかもしれない．もしもそうであれば（あくまでも仮定であるが）先の信号無視の車は（右折レーンから抜いていったことはともかく信号無視については）なんら問題のない車ということになるかもしれない．

にもかかわらず，現状は普通に赤青黄色を繰り返す信号であり，それを守ることがドライバーの義務であるとみなされる．よく言われるように，ドライバーは一方的に規制されており，例えそれが納得いかなくてもよりよい方法があったとしても，改善する術がほとんどなく，ただ単に強制的に守らされているのである．

この辺りのギャップは，昔からあるものであろうが，技術を使ってなんとかしなければならないのではないか，なんとか出来るのではないか，と漠然と考えてみた．

もちろん，そんなに簡単な話ではないのだが，一考の価値はありそうである．